2014年 11月 04日
加賀友禅作家《由水煌人』氏 |
本日は晴天なり☀
秋の気持ちの良い日に 初代『由水十久』氏のご長男で
加賀友禅伝統工芸士としてご活躍の『由水煌人』氏を訪ねました。
「おじゃまいたします」…
まずは 床の間の茶花を愛でるところから....
煌人氏宅の床の間には 毎日欠かさず その季節のお茶花が生けられています。
日常の花一輪にも寄せる思いは深く 花の向き葉の動き 間の取り方などすべてを きものの柄を描くための参考としています。
きものを描くために茶道を嗜み お茶花に出会い その簡素な美しさ惹かれていき、そこでは主役は花に限らず 葉や蔓 枝一つもよくよく観察すれば その表情や色彩は豊かであることに気づかされます。
他に水墨画にも造詣が深く 墨の濃淡だけで表現されるにもかかわらず かすれや滲みなどによっても 色彩や香りまで感じさせてくれることに 表現の奥深さを感じています。
一見関係のなさそうな事にも興味と疑問をもち どんどんご自分の世界に取り込んでいき 柄や構図に生かしています。
これは孔雀羊歯をモチーフにした作品。
羊歯はどこにでも生えているものですが 種類も多いため この孔雀羊歯は 最近になってその色合いの美しさにようやく気がつきモチーフとして柄にしたもの。同じく古来から使われる吉祥柄の立涌と併せて きもの柄にしたものですが どこか洗練され新鮮なものに感じます。
これも 身近なモチーフをいかした煌人氏の個性がよくでている作品だと思います。
…煌人氏の旺盛な好奇心は 常に 観るもの聞くもの 出会う人やモノ すべてを “ 着物の着姿を美しく” することに生かしたいという強い思いに繋がっています。
若い作家達にも ぜひ感性を磨き 好奇心を持って色々な事を観て欲しい、と注文を。
一番嬉しいのは ご自身が熱い思いで完成された着物を同士の作家仲間に認めてもらえた時だそうで、全国の煌人ファンも ワクワクしながら力作を待ち望んでいます(^o^)/
…本当に話の引き出しの多い先生との時間の経つのも忘れるほど 楽しいひと時となりました。
【いつも重鎮の方々のお話を伺うに機会に触れて思うのは 職人気質の生真面目さと深い探究心が 美しい加賀友禅を支えてきたのだということ。
着る側にも伝えたいのですが つくる若手にもこれらの思いを伝えたい!
…と改めて思う松村でした】
by matsumurashouten
| 2014-11-04 17:21
| 匠たちの仕事場拝見